どうも、弟です。

びっくりした……いつの間に来てたの!?

相変わらず長い前髪の間から、今日は赤い瞳が私をとらえてくる。

白に近い銀髪には良く映えてキレイ……


「えっ、じゃあやっぱりあなたが雪くん……?」


私の後ろからそっと顔を出して、確認するすみれ。

そういえば、最近こういうことが無くて忘れてたけど、すみれも相当な人見知りだったな。

雪くんの容姿に怖がってるのかもしれない……

『雪くん、あんまりすみれに対して怖いこと言わないでね!!』と、視線で伝えようとしたけど、雪くんはそんな私を見てふっと微笑んだ。


「そわそわしてたの?一花」

「ち……違うよ!?」


もしかして私とすみれの話聞いてたの!?

なんですぐに声かけてくれないのよ、恥ずかしい……!!

しかし私がそう訴える前に、雪くんの視線は私の後ろに隠れているすみれへと移された。

そして、私には見せたことのないような優しい笑顔を浮かべる。


「初めまして、月形 雪です」


……あれ?

なんだか雪くん、ちょっと大人しい……?

いや、これは普通の事なんだろうけど雪くんに至っては異常なまでの落ち着きっぷりだ……!!


どうしたの?なんでこんなにいい子なの!?


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