どうも、弟です。

「リュウもミニカちゃんも来てくれたんだな、ありがとう」


そんな雪くんの態度なんて気にも留めない様子で、二人にも挨拶する。

慣れてるなあ、私だったらきっと気になって仕方ないし……。


「一花ちゃん」

「えっ!?」


秋くん、すごいなあ…なんて考えながらぼーっと見ていたら、急に名前を呼ばれたことに驚き背筋を伸ばした。


「俺らの店番までまだ時間あるし、少し一緒に見てまわりたいんだけど……」


え……

照れたように笑う秋くんに、正直な私の心臓はきゅんっとかわいい音を立てる。

秋くんの彼女ではなくなっちゃったけど、嫌いになったわけじゃないから。

……だけど。


私は、無意識に雪くんの方を見てしまった。


「!」


目が合って、すぐに視線を逸らす。

私、やっぱり変に意識しすぎてるよね……

今の逸らし方も不自然だったし、きっと雪くんにもおかしいって思われちゃう。


やっぱりここは二人じゃなくて、みんなで一緒にワイワイしてた方がいい。

その方が、すみれの人見知り改善にもつながるよね、きっと。

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