どうも、弟です。

雪くん。

雪くん。


「……バカ、雪くんのバカ」

「なに、ドキドキしちゃってるの?」

「こんなに近くでそんなこと言われたら、誰だってするよ、雪くんのバカ」

「……次バカって言ったら、キスするからね?……みんなの前で」

「っ!?」


雪くんに言われてハッとする。

周りには、何事かと私たちを見る生徒や他校の生徒などのお客さんがいた。


「……っう~……!!」


わ、忘れてた。

いつも会うのは雪くんの部屋だから、周りには誰もいないけど今日は違った。

クラスメイトや他校の生徒さんだっているのに……恥ずかしい…!!

もうすっかり注目の的になっちゃったよ~!!


なのに、隣の雪くんはおかしそうに笑っていて。


「……雪くん、楽しんでるでしょ」

「うん、楽しい」

「っ!?」


私の手を握っていた手を離したかと思うと、それは私の後ろへ回され、肩を引き寄せられる。


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