どうも、弟です。
「どしたの?」
「……っ」
いつも同じくらいにある視線が、いつの間にか私よりもずっと上にあることに、やっと気づいた。
「雪くん……背、伸びたね」
「好きになった?」
「バカ!」
雪くんは、少し顔を近づけてきてニヤッと笑う。
「バカはお前だろ、バーカ」
「っ!?」
その意地悪い笑顔のまま、私のおでこにチュッと唇を押し当てた。
「きゃ~~~!!」
「やっぱり付き合ってるんだ!!」
「どこの学校かな!?制服じゃないからわかんないよ~!!」
周りの声ではっとする。
「つ、付き合ってると思われてるよ雪くん!!」
「困ってる?」
「当たり前だよ、困ってるよ!!」
慌てて雪くんから離れると、距離ができたことによって雪くんの表情にやっと気づくことができた。