どうも、弟です。

さっきまで意地悪そうな表情をしていたはずなのに

今は苦しそうに、悲しそうに、歪んでいる。


「……一花は、秋の彼女だもんな」

「え……っ」


そういえば、まだ雪くんに話してなかった……。

だけど、わざわざ雪くんに話して、私はどうするの……?

まだ雪くんへの気持ちがきちんと決まっていないまま、別れたことを伝えて、私はどうするの?



「あ、やっと見つけた~!!」

「っ!!」


私たちの沈黙を破るように、ミニカちゃんの声が廊下に響いた。


「せ~~つ~~!!」


ツインテールをぴょこぴょこと揺らしながら走り寄ってきたミニカちゃんは、そのまま雪くんの腕の中へ飛び込んだ。

雪くんはそんなミニカちゃんを慣れたように、当たり前のように抱き止める。


「まったく、私の雪をさらうだなんて、いい度胸してるわねあんた」

「いや、どっちかというとわらわれた側なんですけど……」

「同じよ。私を差し置いて雪と二人きりになること自体が罪なのよ罪!!」


ミニカちゃんに何か言い返さなければと脳みそフル回転させていたとき。


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