どうも、弟です。
「一花、見つけた~…!!」
「そろそろ俺らの順番だから、教室戻ろう」
秋くんとすみれが息を切らして私の方へ駆け寄ってくる。
え、もうそんな時間!?
「うわあ、ごめんね二人とも……すぐ教室行こ」
そう言って雪くんに背を向けた。
顔は見ることはできなかった。
だって怖かった。
あんなに切ない表情、見たことないんだもん……。
「一花見つけた!!マジ、俺一人にするとかありえねーよ!?」
「岩本くん!」
「ちっちっちっ……一花はキレイだからな、特別に『リュウ』って呼んでくれていいぜ!」
一人遅れて登場した岩本くんに、どういうわけかあだ名で呼ぶ許可をいただけた。
少しは仲良くなれたと思っていいのかな。
「ふふ、じゃあリュウちゃん!」
私が『リュウちゃん』と呼ぶと、嬉しそうに目を輝かせて笑った。