どうも、弟です。
「リュウちゃん、私たちこれから自分たちのクラスに戻らないといけないから、雪くん達とゆっくり楽しんで行ってね」
自分でそう呼ぶと決めたものの、いざ呼ぶと少し恥ずかしくなって声が小さくなった。
しかしリュウちゃんが相変わらず嬉しそうにしているおかげで、その恥ずかしさもすぐに飛んでいってしまったのだけれど。
「わかった!あとで遊びに行くぜ!」
リュウちゃんはそう言うと、走り出して雪くんとミニカちゃんの元へ戻っていった。
「私たちも行こうか、一花」
「うん、待たせちゃってごめんね」
「一花ちゃんとすみれちゃんのメイド服楽しみだな~」
「秋くんたら、メイド服なんて作ってないよ?」
「あはは、それじゃ急ごうか」
すみれと秋くんの間に挟まれ、歩き出す。
ちらりと後ろを見ると、雪くん達も背中を向けて歩き出していた。
……ミニカちゃんはやっぱり雪くんにべったりで。
さっきまで隣にいたのは私なのにな、なんて思って首をぶんぶん横に振る。
そうやって今日も自分の気持ちを振り払う。
ちくりと痛む理由になんて、とっくに気づいてるはずなのに。