どうも、弟です。
「勝手にミルク入れてごめんって、まさか雪がブラック飲むなんて思わなかったんだよ~…」
「……」
確かにいつもはミルクだったり砂糖だったり入れて飲むけど。
今日は一花だっているんだしそんな子供っぽいところ見られたくないわけ。
秋はそういうのも察することができないってわかってたから、わざわざブラックって言ったのに、見事に間違えてくれた。
しかしこうしてブラックコーヒーが来たところで、肝心の一花がいない。
「……はあ」
ため息をつき、目の前に置かれたブラックコーヒーを見つめていると。
「ほら、雪」
「?」
にこっと笑った秋が、握った手を此方に見せてくる。
何だよ、早く持ち場に戻れよ。
それすらも言いたくなくて、秋と口をききたくなくて、目を細めて睨んでいると。
「はい」
「っ」
秋の手が開かれたと思ったら、その中にはガムシロップとミルクが2つずつ。
「足りなかったら言えよ」