どうも、弟です。

そう言ってにっこりと笑っている秋の顔が無性にムカついた。

そうやっていつも、何でもわかったような振りをする。

何でも俺がやってあげるって思ってるのがムカつく。


どうせ秋だって思ってる。

『俺の方がお前よりも上なんだ』って思ってる。

だからそうやって余裕な顔して笑ってるんだ。


そのくせ俺が頑張って自分の元にとどめておこうと、大切にしようとしてるものですら、秋は簡単に奪っていく。


「……っ、嫌いだ」


ズルズル、ドロドロ。

そんな音が似合いそうな、嫌な感情がどんどん湧いてくる。


そしてそれを必死に塞いできた蓋が、その蓋を必死で止めていた糸が。


「雪…?」


「秋なんか、嫌いだ!!」



ブチンと大きな音を立てて、ちぎれた。


「そうやってお前はいつも、いつもお前は……!!」


蓋が落ちて、その中に押し込んでいた感情がどんどん溢れて止まらない。



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