どうも、弟です。
「雪、俺の何がそんなにお前を怒らせてるんだよ…?」
なんでそれがわかんねーんだよ。
どうしてそれが、いつになっても……お前は…!!
「なんで…っ、なんでいつになってもわかんねーんだよ言わなくてもわかれよ!!」
「言わなきゃわかんねえに決まってんだろ!!!」
「っ」
秋の叫ぶような声に、一瞬怯んだ。
「言わなきゃわかんねえよ!! お前俺をエスパーか何かと勘違いしてないか!? 血が繋がっていようと、どんなに頑張ったところでお前の考えてること全部全部わかるわけないだろ……っ!!」
温厚な秋が、こうして声を荒げるところをほとんど見たことがない。
だからなのかもしれないけど、俺はいつの間にか息をすることも忘れてただ秋を見つめ、秋の言葉に初めてちゃんと耳を傾けた。
「お前が困ってたり苦しんだりしてるって思ったら、助けてやりたいって、力になりたいって思うんだよ!! でもその助け方がいつだってわからないんだよ!! だってお前、いつだって何も言わないから!!」
「……じゃあなんだよ、『こうやって助けて』って、そう言えってことなのかよ」
「苦しいって言えよ!」
「……!」
秋の両手が俺の肩をつかみ、その瞳は真っ直ぐ俺を見て、訴えるようにまた叫ぶ。