どうも、弟です。
「……ははっ」
それを確認した秋は、やっと笑った。
そして鼻をすすってから続けた。
「俺たち、素直になれない同士だな」
素直に慣れない同士、の意味がわからず首を傾げる。
「実は俺ね、雪が羨ましくて、ずっと嫉妬してたんだ」
「!!?」
予想外すぎる秋の言葉に、俺は体を少し離して秋の顔を見た。
「うわ雪、今更だけど赤いカラコン似合うなあ」
「今……なんて…」
「だから、赤も映えて似合うなあって…」
「その前!!」
「あははっ、ごめん」
さっきみたいな作った笑顔じゃなくて
張り詰めた空気を一瞬で溶かすように、いつもの朗らかな秋の笑顔だった。
「確かに俺は、何でも雪よりはこなせるし、良くできる子ね~って言われて育った」
「嫌味か?」
「ごめん半分冗談」