どうも、弟です。

ミニカちゃんと話して、雪くんへの想いを自覚して。

なんだかそれから、私はずるい生き物になってしまったような気がする。


受験勉強で忙しいのに、雪くんと二人でいたいとか

二人でいたいのに、それを雪くんに気づかれたくないとか

なんて自分勝手で、ワガママになってしまったんだろうって思う。


だって秋くんのことを好きなときは、こんな風に思わなかったから。

ただ見ているだけでよかったから。

秋くんが他の女の子といても、それが当たり前だと思っていたから。


なのに雪くんの隣にミニカちゃんや他の女の子がいると、どうしようもなく嫌でモヤモヤする。


「それでも、女の子だろ」

「………っ」


雪くんのそんな言葉が、外の空気で冷えてきた私の体の奥の方を一瞬にして熱くさせる。


本当にずるい。

さっき、ミニカちゃんに『抜け駆けは許さない』って言われたばかりなのに。

勉強の時間は終わったから、いいよねなんて思ってる。


「……ありがとう…」


やっと二人きりになれて嬉しくて仕方ないのに、すぐそこにある雪くんの手に触れたいなんて。

一生懸命勉強している雪くんに対して、少し寂しさを感じているなんて。


……本当にずるい。

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