どうも、弟です。

「……俺、どこの高校も受けない」

「えっ!?」


固く握りしめられる雪くんの拳。

今、雪くんが何を思っているのか、わからない……。


「ど、どうして…こんなに勉強頑張ってるのに……」

「……拗ねた」

「拗ねたって……子供みたいな事言わないでよ雪くん……」

「子供だよ」

「……っ」


いつもより少し低いトーンで、雪くんは続けた。


「一花が知ってるよりも、子供で、口も頭も悪くて、性格も悪いよ、俺は」

「……雪、くん……?」


どうして、自分のことそんなふうに言うの?

そんなこと全然ないのに……雪くんがそこまで言うほど、雪くんという人は…


「ね、一花」

「え?」

「すぐそこの公園行こう」


ひゅうと吹いた風はとても冷たくて、12月上旬にしては気温もずいぶん下がっていた。



< 216 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop