どうも、弟です。
「……俺、どこの高校も受けない」
「えっ!?」
固く握りしめられる雪くんの拳。
今、雪くんが何を思っているのか、わからない……。
「ど、どうして…こんなに勉強頑張ってるのに……」
「……拗ねた」
「拗ねたって……子供みたいな事言わないでよ雪くん……」
「子供だよ」
「……っ」
いつもより少し低いトーンで、雪くんは続けた。
「一花が知ってるよりも、子供で、口も頭も悪くて、性格も悪いよ、俺は」
「……雪、くん……?」
どうして、自分のことそんなふうに言うの?
そんなこと全然ないのに……雪くんがそこまで言うほど、雪くんという人は…
「ね、一花」
「え?」
「すぐそこの公園行こう」
ひゅうと吹いた風はとても冷たくて、12月上旬にしては気温もずいぶん下がっていた。