どうも、弟です。
***
公園に着き、二人でベンチに座った。
ここは、私が秋くんの彼女になった場所だ。
そんな場所に、今私は雪くんと二人でいる。
吐息が白くなって、指先が冷えてきた頃。
雪くんがやっと口を開いた。
「覚えてる?初めて会った日のこと」
「お…覚えてるよ、すごく怖かったもん……!」
路地裏で、雪くんとリュウちゃんが血みどろになってケンカをしていたあの日のことは、今でも鮮明に思い出せる。
あの雪くんを、本気で秋くんと勘違いしていた自分が恥ずかしい。
「あの日、一花が俺に『月形くん』って言って止めに入ってきて、すぐわかったよ」
「……?」
「その『月形くん』って言うのは『月形 秋』のことで、『月形 雪』じゃないってこと。そんでこの子は、そんな『月形くん』のことが好きなんだって」
さっきまで苦しそうな表情を浮かべていたはずなのに、今雪くんが浮かべているのは、穏やかな微笑みだった。
「最初はさ、なんだこんなブスまで秋が好きなのかって、苛ついて仕方がなかった。ごめんね?」
「……もう女の子にブスって言っちゃダメだよ…」
まだ中学生で、高校デビューもできていなかったあの頃の自分を思い出す。
雪くんからあんなふうに言われていなければ、あんなふうに雪くんと出会っていなければ
今の私は、ここにはいなかっただろうな。
公園に着き、二人でベンチに座った。
ここは、私が秋くんの彼女になった場所だ。
そんな場所に、今私は雪くんと二人でいる。
吐息が白くなって、指先が冷えてきた頃。
雪くんがやっと口を開いた。
「覚えてる?初めて会った日のこと」
「お…覚えてるよ、すごく怖かったもん……!」
路地裏で、雪くんとリュウちゃんが血みどろになってケンカをしていたあの日のことは、今でも鮮明に思い出せる。
あの雪くんを、本気で秋くんと勘違いしていた自分が恥ずかしい。
「あの日、一花が俺に『月形くん』って言って止めに入ってきて、すぐわかったよ」
「……?」
「その『月形くん』って言うのは『月形 秋』のことで、『月形 雪』じゃないってこと。そんでこの子は、そんな『月形くん』のことが好きなんだって」
さっきまで苦しそうな表情を浮かべていたはずなのに、今雪くんが浮かべているのは、穏やかな微笑みだった。
「最初はさ、なんだこんなブスまで秋が好きなのかって、苛ついて仕方がなかった。ごめんね?」
「……もう女の子にブスって言っちゃダメだよ…」
まだ中学生で、高校デビューもできていなかったあの頃の自分を思い出す。
雪くんからあんなふうに言われていなければ、あんなふうに雪くんと出会っていなければ
今の私は、ここにはいなかっただろうな。