どうも、弟です。
「でも一花が家に来て、正直びっくりした。秋の卒アル持ってきて確認して……二度びっくり」
「だって雪くん、リュウちゃんの前でも私の事ブスって……」
「思ってることと反対の事言っちゃうって、言ったでしょ? それくらい俺はまだガキなの。まあ、頑張って直すけどね」
なんか開き直ってない?
雪くんの言葉を聞いて、下を向きながらむうっと頬に空気をふくませる。
唇が乾燥して、少し痛かった。
「それで一花、俺になんて言ったか覚えてる?」
「………秋くんには言わないでって言った」
雪くんはおかしそうに噴き出して、それもそうだけどと続ける。
「『私を私として認知してもらいたい』って」
「………言った」
「俺、あの言葉キツかった」
「キツかったの?」
「うん、殴られたみたいだった」
「ええっ」
返ってきた言葉が意外すぎて、思わず雪くんを見る。
雪くんは、暗くなり始めている空を見上げていた。