どうも、弟です。
12 きみのせい
「ねえすみれ、本当に変じゃない?」
すみれの家を出る前に、もう一度全身鏡の前で服装をチェックする。
今日に合わせてかわいい服をすみれと一緒に選んだ。
でも、今更になって不安になってくる。
ちゃんとかわいいかな、どこかおかしいところはないかな。
少し動く度に髪やメイクが気になってしまって仕方がない。
「大丈夫だよ一花、いい加減もう行かないと遅れちゃうよ?」
「わわわっ」
そんな私の背中を玄関まで押しながら、すみれは何度も『大丈夫』と声をかけてくれた。
「……よしっ」
ブーツを履いて気合いの入った私は、すみれに向き合う。
すみれはしくしくと悲しむジェスチャーをしていた。
「ああ、今年のクリスマスは一花と過ごせないなんて、私悲しいよ……」
「ふふ、そうだね」
「あ、全然悲しそうな顔してない!!」
毎年すみれとクリスマスを過ごしていたから、すみれの言うとおりちょっぴり悲しい気持ちもある。
でも、わかったこともある。