どうも、弟です。
「これ……中学の時の卒アル……?」
私が差し出した卒アルを、秋くんが不思議そうに手に取る。
そして、ページをめくって中身を見ていくうちに、徐々に懐かしそうに顔がほころんでいった。
「あれ……でもどうして一花ちゃん、俺の中学校の卒アルなんか持ってきたの?」
数ページめくってから、ふと気づいたように私へと視線を移す秋くん。
震える手をぎゅっと握りしめて、私は秋くんを真っ直ぐ見た。
「……私、実はね……」
今日、あなたに伝えることで
私はきっと本当の意味で自分を受け入れられると思うから。
「秋くんと、同じ中学校だったの。三年生の時は、同じクラスだったんだよ」
「………ええっ!?」
以外にもすんなり言葉が出てきてくれた。
秋くんは、驚いたようにページをどんどんめくる。
卒アルが終盤になってくる頃、私の心臓の音が痛いくらいに大きくなっていくのがわかった。
…だめ、こわい。
本当はそれ以上先を見て欲しくない。
名前と顔をセットでしっかり載せられているところを見られたら。
………こわい。