どうも、弟です。
「……いい?」
小さく呟かれたその言葉。
不思議と『何が?』なんて聞かなくてもわかってしまって、恥ずかしくてつい下を見る。
それを逃がさないように、両手で頬を挟まれてもう一度雪くんの方を向かされて。
同時に、唇にあたたかい感触。
人生で初めてだったそれは、よく聞く甘酸っぱさなんて全然感じなくて。
ただただ自分の涙でしょっぱい味がした。
なのに幸せで、もう出ないと思っていたはずの涙がまたぽろぽろと流れてきた。
「幸せ?」
「……幸せ」
私と雪くんは、お互いのおでこをこつんと合わせて笑った。
大きなクリスマスツリーに見守られながら、はらはらと舞い散る雪の中で。
大好きな人と、恋人になった。