どうも、弟です。
13 どうも、彼氏です
気持ちいい4月の風が、首筋を撫でた。
ついこの間まで雪をかぶっていた木々は、すっかりピンク色に模様替えされていて。
風に乗って桜の花びらが舞う、白南風高校の校庭に私は立っていた。
今日は入学式。
そして私は、今日からこの学校の二年生となります。
「えっ、クラス一緒じゃん!!」
「俺どこのクラスか見てきて!」
玄関前の掲示板には、すでに今年の新入生がざわざわと話している。
「ふふ、去年がなつかしいなあ……」
すみれに、ちょっと見てきてって言われて、そこで初めて秋くんと話したんだよね。
あの時は死ぬほど緊張したけど、今考えたら伊達眼鏡を手放すにはいい機会だったのかも知れない。
そして、ひょんなことから出会ったのが……
いや、再会したのが秋くんの弟の……
「きゃあ!」
「あの二人、かっこよくない!?」
突然、女子の黄色い声が大きくなった。