どうも、弟です。
「せっ、先輩は敬うべきだよ雪くん……!!!」
「泣かす」
「先輩は敬うべきだよ雪くん!!!」
「ぶ……っあはは!!」
私と雪くんが言い合いを始めたとき、ずっとそれを見ていた秋くんが急に噴き出して笑った。
秋くん、笑ってないで助けてよ~……。
「いや、雪がこうして楽しそうにしてるの見るのが新鮮でさあ……」
「はあ? ケンカしかしてこなかったみたいな言い方やめてくれる?」
「え、雪ケンカしかしてこなかったのか!?」
「~……!!!」
「あははは…っ」
二人のやりとりを聞いて、今度は私が笑ってしまった。
いつからだろう。
気づいたときには、この兄弟の間に流れる気まずい雰囲気というか、嫌悪した空気感はなくなっていて。
こういう軽い言い合いみたいなものはよく見るけれど、会話自体がほとんどなかったこの二人のやりとりはなんだか新鮮で、見てて嬉しくなる。
「みんな~、おはよう~!!」
今度はすみれの声がして、また校門の方を見ると。
「……えっ!?」
思わず、自分の目を疑った。