どうも、弟です。
私や雪くんにはちゃんと目を合わせて挨拶できたのに
秋くんとは目を合わせるどころか下を向いちゃってるすみれ。
制服の裾をぎゅっとつかんで、もじもじとしているすみれ。
「一花」
「え、……わっ!?」
雪くんに、腕をぐいっと引っ張られる。
「せ、雪くんどうしたの……!?」
「空気読めよ、先輩」
すみれたちから少し離れたところで、呆れたようにため息を吐かれてしまった。
「あ……」
やっぱり、そういうこと……!?
もう一度すみれたちを見る。
秋くんは笑顔ですみれに話しかけると、恥ずかしそうに下を向いていたすみれは嬉しそうに笑った。
クリスマスの、あの日を思い出す。
もしかして、すみれが恋した相手は……
「……頑張れ、すみれ」
『一花が迷ったときは、私がこっちだよって言うから……私が迷ったら、一花がこっちだよって言ってね』
すみれの言葉が脳裏をよぎる。
今度は、私がすみれの支えになりたいな。