どうも、弟です。

ずっとずっと憧れて

やがてその憧れは恋だと知った。


あなたはそんな人の『弟』で。


憧れの人の弟だからとか、そんなこと関係なく

私は『雪くん』という1人の男の子に惹かれた。



余裕そうな顔で意地悪言ってくるくせに


ふと甘い声で優しく触れてくれて


やる気が無いかと思えば一生懸命頑張っちゃうところも


悲しそうに歪む表情をされたがぎゅうっと締め付けられるように苦しくなるし


大切そうに笑ってくれたときは私も嬉しくなって一緒に笑っちゃうんだ。



今までできなかったこと、雪くんとたくさんしたいな。



「一花」

「え?」

「心の声、全部口に出てるけど大丈夫?」

「……えええっ!?」

「嘘」

「よ、よかった……」

「……の反対」

「ちょっと!!!!」



くすりと笑う雪くんは、そっと私の頬に唇を軽く当てた。



こうして意地悪されても

何度からかわれても

きっと嫌いになんてなれないんだろうな。


年下なのに、妙に落ち着いた雰囲気なのに

年下らしい無邪気な笑顔を浮かべる時もあって




年下なあなたに、きっとこれからも私は振り回されっぱなし。




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