どうも、弟です。
白に近い銀髪で、サラサラとした髪。
前髪が長くて、目元がよく見えない。
身長は私より少し大きいくらいで……。
「なんだよ、いるなら声かけろよ雪」
「あんたこそ、勝手に開けようとしてんじゃねーよ」
「っ」
……この……声……。
「紹介するよ、一花ちゃん」
秋くんが、部屋から出てきた少年の肩を組んで私に笑顔を向けてくる。
「こいつが、今回一花ちゃんに勉強を教えてもらいたいと思っている、俺の弟! 月形 雪!」
「……っ」
こ、この人……!!
ドクン、ドクンと心臓が大きく跳ね上がる。
何で、気づかなかったんだろう。
あの日、私が秋くんだと思っていた人は、よく考えたら身長が私と同じくらいだった。
秋くんが、そんなに身長低いはず無い。
それに、いつも教室で聞いていた秋くんの声よりも少し高かった。
この声だ。
この雰囲気だ。