どうも、弟です。
「ねーえ!一花~!」
「あああ、もうすみれ、うるさい!!」
「一花の声の方がうるさい!いい加減教えてくれたっていいでしょ!?」
「……っはああ…!」
両頬に空気をため、涙目でそう訴えてくるすみれを見て、大きくため息をついた。
「……私、本当に昨日の事思い出したくないのに」
「だから、何があったの?そんなに嫌なことがあったの?」
その言葉にむっとして、すみれをひと睨みする。
「じゃなきゃこんなに不機嫌になったりしないわよ」
お弁当を取り出して、そっと机の上に置いた。
「わかった、話すから……その代わり、あんまり騒がないでね?」
……本当に、本当に、思い出したくなくて。
今日は、できればそっとしておいてもらいたかったけど、すみれがそんなことするはずもない。
「うん!大丈夫!!」
ふんす、と鼻息を荒くするすみれを見て、もう一度ため息をついた。
ほんとかなあ、と呟いた後、私はなるべく小さい声で、すみれに昨日の出来事を話した。