どうも、弟です。
***

昨日、秋くんに連れて行かれた部屋の前で……。


「………」

「………」


私は、月形 秋くんの弟くんだという彼を目の前にして、なにも言葉が出てこなくて。

しかし秋くんに促されるまま弟くんの部屋へと足を踏み入れてしまう。


う、わ。

男の子の部屋、人生で初めて入っちゃったよ……!!


「じゃあ、よろしく頼むよ」

「!?」


そ、そんなこと思っている場合じゃ無かった!


私は助けを求めるように秋くんを振り返るも、秋くんは何も気にした様子も無く、そのまま部屋から出て扉を閉めてしまった。


「………あぁ……」


私は、閉じられた扉に向かって伸ばした手を、だらりと下ろした。


「………で?」

「っ!!」


後ろからかけられた、秋くんのよりも少し高い声に私はびくりと体を震わせる。



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