どうも、弟です。
そ、そんな。
これから1年間……?
ずっと、あの弟くんと同じ部屋にいなくちゃいけないの……?
そもそも、あの人が素直に私の言うことを聞いて勉強してくれるなんてとても思えない。
私の手に負える人じゃないんじゃないかな……!?
「あ、あの、秋くん……!!」
だめだ。
私じゃ無理だ。
それにここで承諾してしまったら、毎週秋くんの家にお邪魔することになる。
そんなの、緊張しすぎて私の心臓が先に壊れてしまう。
こんな私を頼ってくれた秋くんには、本当に申し訳ないけど……。
せっかく、ここまで仲良くなれたのにって、少しもったいない気がするけど。
「なあに、一花ちゃん」
「っ」
私が名前を呼んで、彼がこうしてしっかり私を私として認識して、私に対して返事をしてくれる。
それだけで、この一瞬だけで、もう十分幸せだから。
これ以上を、求めるわけにもいかない。
そんな贅沢、私みたいな人がしちゃいけない。
それ以前に、弟くんがこわすぎた。