どうも、弟です。
「とても、申し訳ないんだけど……その…」
「一花ちゃん」
「え?」
秋くんが私の手をそっと取ったと思ったら。
私の手の中に何かが納められた。
「……これ」
購買で売ってるあんパンだった。
「無理しなくていいんだよ。ほんとに少しなんだけど、これは昨日のお礼」
「で、でも……せっかく頼ってくれたのに…」
こんなことしないでよ、秋くん。
余計に言葉にしづらくなっちゃうじゃない……。
「大丈夫、まだ一年あるんだし、週一からでも全然オッケー」
「……え!?」
待って!?
今の流れ、完全に私がお断りする流れだったでしょ秋くん!?
「雪の奴、素直じゃなくてほんと大変かもしれないけど、何かあったらいつでも相談して!」
「あ、あの、秋く……」
「じゃあ、また来週!!」
そう言って立ち上がると、秋くんは教室から出て行ってしまった。