どうも、弟です。
4 変わりたい
それから、一週間が経った。
ついにこの日が来た。
……来てしまった……!!
「一花ちゃん! 一緒帰ろ!」
放課後になると、秋くんがすぐに私の名前を呼んで駆け寄ってきた。
彼の人気は高校でも健在で、クラスメイトの視線が一気に私たちに集まる。
「……う、うん……」
秋くんと並んで教室を出ても、みんなの視線はずっと私たちに集まったままだ。
秋くんは平気そうにしているけれど、私は未だにこの視線に慣れない。
「それでさ~……」
隣で楽しそうに話をしてくれる秋くん。
この会話を私にしてくれているという事実が嬉しくなって、いつの間にかそんな視線も忘れてしまうくらいには、私も彼との会話を楽しんでしまっていた。
こうしてみると、少しずつ秋くんとの距離は縮まってきている……のかな。
この一週間で、そんなことを思ってしまうことも多くなった。
今までは、なんて言うのかな。
……恨み…ってわけじゃないけど、それに近しい気持ちを抱いていたはずなのに。
そんな暗い気持ちがパッと晴れたみたいに、秋くんのいいところしか見えなくなっている。