どうも、弟です。
「じゃあ、また今日もよろしくお願いします、一花先生」
玄関のドアを開けながら、笑顔でそう言う秋くんを軽く叩く。
「やめてよ、先生なんかじゃないから」
「あははっ」
「……!」
玄関に入ってハッとする。
私、自分から秋くんに触れるなんて。
いや……触れるという表現が正しいかどうかわからないけど。
秋くんの肩を叩いた自分を見る。
「~…っ!!」
秋くんと一緒にいる時間が楽しくて、こんな、すぐに調子に乗った行動に出てしまった自分が恥ずかしい。
「なにしてんの?」
「ひゃっ!?」
玄関で立ち止まっている私の両肩をぽんっと押す秋くん。
「だって、いきなりぼーっとしだすから、どうしたのかと思って」
「もう……お邪魔します」
「どうぞどうぞ」