どうも、弟です。


「頑張ってね、一花ならきっと受かるよ。勉強、頑張ってきてたもんね」

「ありがと、すみれ。……あ」


すみれと話していたおかげで、大事なことを思い出した。


「どうしたの?」

「いや、思い出したことあって」

「なに?なんか怖い!大事なこと?」

「ううん、そんなでもないんだけど……」


志望校をどうするか……


月形くんやすみれと同じ白南風高校にいくか、月形くんを忘れるために県内一の高校に行くか。

先生との三者面談の時、結局迷って決められなかった私は、先生に決まったら伝える約束をしていたんだった。


……もうすぐ締め切りだ。


このことを伝えると、すみれは口と両目を大きく開けて私を見てきた。


「めっちゃ大事なやつじゃない!」

「危うくどこも受けられないところだった……」

「もう!今日の放課後にでも先生に言ってきたら?」


うーん…と私は天井を仰ぐ。


「ううん、帰ってお母さんに伝えて、明日先生に言うことにする」


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