どうも、弟です。
私の答えを聞いたすみれは、納得したような表情を浮かべて立ち上がった。
「それじゃ、もうすぐ昼休みも終わるから自分の席戻るね」
「はーい」
まだおしゃべりが続く教室で、私とすみれは各自次の授業の準備は始めた。
私たちの事なんて、まるで気にしていない教室。
まるで、最初から存在していないんじゃないかとも思わせるくらいの、私たちの存在感の無さ。
「月形~プリント一枚足りねえ!」
「えっ、ごめんわざと!」
「うわ、ひでえ!!」
一瞬で笑いの渦が巻き起こすことができる彼とは、住む世界が違う。
「……これで、いいんだよね」
私は、志望校の名前を書く欄がまだ真っ白の状態のプリントに、シャープペンを走らせた。