どうも、弟です。
「仮に俺が勉強できるようになっても、わざと間違えたこと書くかも知れないとか思わないわけ?」
あ、そうか……
そういう考えもあるのかあ……
でも私は、そうは思わない。
「そんなこと、弟くんがするわけないよ」
「……」
「だって、そんなことするんだったら最初からこんな提案しないでしょ?」
弟くんの机をトントン軽く叩く。
「さ、勉強しよう!!満点とれるように、頑張ろうね!!」
「………」
弟くんは大きくため息を吐いた後、ゆっくり立ち上がって椅子に座り、机と向き合った。
私はその斜め後ろに立って、今度は弟くんの両肩をポンポンと軽く叩いた。
「あと、どんだけ無謀なことしようとしてるか、自分でわかってる?」
「……え?」
無謀なこと……といいますと?
弟くんがゆっくりと私の方を振り、口角をつり上げた。
「俺の成績、5教科の合計100点いかないからよろしくね、せーんせ」
「……!!!!?」