どうも、弟です。

「仮に俺が勉強できるようになっても、わざと間違えたこと書くかも知れないとか思わないわけ?」


あ、そうか……

そういう考えもあるのかあ……


でも私は、そうは思わない。



「そんなこと、弟くんがするわけないよ」

「……」

「だって、そんなことするんだったら最初からこんな提案しないでしょ?」


弟くんの机をトントン軽く叩く。


「さ、勉強しよう!!満点とれるように、頑張ろうね!!」

「………」


弟くんは大きくため息を吐いた後、ゆっくり立ち上がって椅子に座り、机と向き合った。

私はその斜め後ろに立って、今度は弟くんの両肩をポンポンと軽く叩いた。


「あと、どんだけ無謀なことしようとしてるか、自分でわかってる?」

「……え?」


無謀なこと……といいますと?

弟くんがゆっくりと私の方を振り、口角をつり上げた。


「俺の成績、5教科の合計100点いかないからよろしくね、せーんせ」

「……!!!!?」



< 74 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop