どうも、弟です。
弟くんから声をかけられ、我に返った私はすぐに彼へと視線を戻す。
「あんた、いつまで俺のこと『弟くん』って呼ぶわけ?」
「え……」
だって、弟くんは弟くんだしなあ……
「普通に呼べばいいじゃん」
「普通……に?」
椅子をくるっと回転させ、私の方を向いた弟くんが私の腕を軽く引っ張ってきた。
「わっ!?」
突然のことにバランスを崩してしまう。
しかし、弟くんがしっかりと私を抱き留めた。
「どんくさ」
「……っ」
私の耳元で、おかしそうに鼻で笑う弟くん。
あまりの密着に、顔や体の熱が一気に上昇して、何も言い返せないのが悔しい。
本当は、何するのよってひっぱたきたいし、離れたいのに。
慣れない男の子の体に触れられると、どうしても動けない……。