どうも、弟です。
5 満点ゲーム
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あれから、早くも一週間が経過しました。
「ふーーーむ……89点……」
放課後、少し学校に残って雪くんの回答の丸付け作業をしています。
毎日、雪くんの家に行く前に自作の問題を作って渡しておき、次の日に雪くんがそれを解いて私が丸付けをして……の繰り返しです。
雪くんと一緒の時は私の問題の復習や、テスト範囲の雪くんの学力確認等をしています。
……なのだけれど……。
「……びっくりするくらい…順調かも……」
今、私が丸付けをしている科目は数学。
雪くんは意外と飲み込みがよくて、国語、数学、英語はなんとかなりそうだな。
「問題は、理科と社会かあ……」
この2教科は単純に暗記の世界だから、何度も繰り返し一緒に解いていくしかないかもしれない。
「ね、一花」
「ん~?」
「なんだか最近楽しそうじゃない?」
ひょっこり私の横から顔を出してきたすみれ。
雪くんの答案用紙を見つめて、にんまりと笑った。