どうも、弟です。
「雪くん、頑張ってるじゃな~い!一花のおかげ?」
「いや、雪くんの力だよ」
私は丸付けを終えた解答用紙たちをまとめ、机の上でとんとんとそれぞれのプリントの角をそろえていく。
そうだよ、雪くんの実力だ。
雪くんは勉強をしないだけで、実はすごく頭がいいのかも知れない。
「またまたぁ!」
「何よ」
「とか言っちゃって、実は雪くんといい感じなんじゃないの~?」
「なっ!?」
すみれの突拍子もない言葉に、一気に顔が真っ赤になる。
何言ってるのすみれってば!!
私と雪くんがいい感じって、一体何がどんなふうになったらいい感じってことになるのよ!!
それにすみれには本当の事を話していないから、雪くんとの謎の勝負についても話してないし……。
「………」
「あれ? 一花、どうしたの?」
「………」
そうだ、すみれには、話してないんだった。
あの日のケンカは、私が勝手に秋くんだと勘違いしちゃってたから……
すみれに話すと怖がっちゃうんじゃないかって思ったんだっけな。