どうも、弟です。

そろそろ、本当の事を話してもいいかもしれない。

私が白南風に行くって決めた理由や、高校デビューするって決めた本当の理由。


「あ、あのね、すみれ」

「ん？なあに？」


でも……

もしもそのケンカ相手が雪くんだって知ったら…？

私がその張本人と二人きりでいるって知ったら…？

すみれは、余計に私のこと心配しちゃうんじゃないかな……


「あー……その…」

「何よ、すごく気になるから早く話してっ」

「えっと……ちょっと長くなるよ？」

「大丈夫だよ～！」


すみれは、私の机の前に回り込んでくる。

そして膝を折り、不機嫌そうな顔のまま私の机に顎を乗せてきた。


「早く～！」

「……じゃあ、約束して？」

「何を？」


私は、放課後になってもまだ教室に残っておしゃべりをしているクラスメイト達が、どのあたりにいるのか確認した。

大丈夫、私たちからは距離があるし、小声で話すだけなら周りの人たちには聞こえないはず……！


「私のこれから話す内容を聞いても、大きな声を出さない、必要以上の私の心配をしないって」

「あははっ、わかりました～！！」


本当に大丈夫かなこの子……

私は、すみれに顔を近づけて、周りに聞かれないよう小さな声これまでの事を伝えた。