どうも、弟です。
そこまで話して、二人で笑った。
よかった、勇気出してこの子に話すことができて。
「それより一花」
「んー?」
「また約束破るかもだけど、本当にその雪くんって子……大丈夫なの…?」
私はその質問に対して応えるまで、少しの……どころではなくしばらくの間を空けてしまった。
それがすみれの不安を余計に大きくさせてしまった。
「大丈夫じゃないのね!? 家庭教師なんか今すぐやめちゃいなよ!!」
「いや、それもちょっと無理なんだよね……」
「なんでよ!」
「だから、さっき話したでしょ? 雪くんが来週の学力テストで満点とれないと……」
そこまで話した時、私の肩に大きくて暖かい誰かの手が乗せられた。
「っ!!?」
驚きすぎて声も出ず、後ろを振り返ると。
「一花ちゃん! もうそろそろ学校出られる?」
「あ、秋くん……!」
びっくりした。
すみれと話すのに夢中になっちゃって、後ろから近づいて来た秋くんの気配に全然気づけなかったよ…。
ていうか、すみれからは秋くんが近づいてくる姿、しっかり見えていたはずなのに、どうして教えてくれないのよ!!