どうも、弟です。
***

秋くんと二人で並んで帰り道を歩くのにも、だいぶ慣れてきたなあ。

そう思いながら、隣を歩く秋くんにちらりと目をやる。


こうしてみると、雪くんより身長も高いし大人びているなあ…。

まあ、こんなこと言ったら雪くんはきっと怒るんだろうけど。


「ふふ……っ」


雪くんの怒った姿を想像したら、なんだかおかしくなって笑ってしまった。


「どうしたの?一花ちゃん」

「えっ、あ、いや……なんでもない…」


やだ、なんで私雪くんのこと想像して笑ってるんだろう。

これじゃ完全におかしい人だよ……恥ずかしい……。


「そういえば最近雪の奴、どういうわけか真面目に勉強してるよ」

「……え?」


あの雪くんが?

私がいない間も本当にちゃんとやってくれてるんだ……。


私の手作り問題も解いてきてくれているんだから、勉強してくれていることは明らかだし、別に雪くんのことを疑っていた訳じゃないんだけど。

こうして第三者からの言葉を実際に聞けると、余計にうれしさがこみ上げてくる。


雪くん、ちゃんと頑張ってくれてるんだ、そっか……。



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