どうも、弟です。
そんなの、ダメに決まってるよ…!!
だいたい雪くんだって、私が秋くんのことが好きだって知ってるくせに!!
また、こうやって私のことからかってるんだ……!!
「だめ?」
「え…っ!!」
触れられている唇が、頬が、どんどん熱を帯びていく。
私は秋くんが好きなんだ。
中学校頃からずっとずっと、好きだったんだ。
なのにどうして、目の前にいる雪くんに、こんなにドキドキしてるの……!?
だめ?
雪くんにそう聞かれて、すぐに頷けないのは。
きっと雪くんにこうして触れられているせいだ。
急に変なことを聞かれて、体が硬直してしまっているせいだ。
雪くんのこと、好きになるなんて、そんなこと……
「だ、だめだよ、そんなの……」
下を向きたいのに、雪くんの私に触れる手がそれを許してくれない。
長い前髪の間から見える雪くんの瞳。
…あ、今日は青なんだね。
この一週間で、雪くんはその日の気分によって、カラコンで瞳の色を変えてることを教えてもらった。