嘘つきシンデレラ




本当に飲みすぎてしまって、




頬がほわほわして




やばい。




つい。




誰にも言えなかった




社長のこと




話せて




気が、高ぶってしまったのかな。




弟さんと社長のおうちは




現実感がないくらい




豪華で明るくて




とても静か。




ここで、過ごしている二人を




想像できないのは、なぜかな。




ぜんぜん生活感が、感じられないからかな。




社長は私のことなんて




なんとも思っていない。




弟さんの言葉は、間違っていなくて




私に投げかける




弟さんの顔を見ていて




思ったの。




私と弟さんは一緒なのかも。




叶わないって





頭ではわかっているのに、




愛されたいと願って




願う気持ちをとめることができなくて。




泣きたいくらい、焦れていく心が




痛い。




弟さんは




痛いのを




我慢しているような顔して




言葉を告げるから。




叶わないのに、




誰かに愛されたいと願うのは




ほんとにツラくて。



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