嘘つきシンデレラ
契約金はわたし?
ガラス玉のような目が、まだ私を見つめている
観察されるモルモットにでもなった気分。
まだ、大きな声で あんなこと訴えた
興奮状態のままの さとみは思った。
社長が無言でさとみを見つめる。
「何でもするって、威勢はいいけど。
何ができる?」
静かに落ち着いた声で、社長が尋ねた。
えっと。
「…私にできることは何でも」
ふっ。社長が笑う。
氷のように冷たく。
「ノープランか。
そうやって人任せで、
なんとかしてもらおうとする時点で
甘いんだよ」
さとみは緊張で、胃がひっくり返りそう。
きっとここが勝負。
何とか、何とか話きいてもらえている。
ちゃんとレスポンスできないと、
すぐに切り捨てられてしまう。
でも、私にできることなんて……。
もともと何も持たない私に、何ができるの?