嘘つきシンデレラ
え?
鍵がかかっている?
なんで?
嘘でしょ。
さとみはバルコニーから窓の内側を
覗き込む。
やっぱり、ガッチリ鍵かかってる…。
どうして?
え?
ほんとに、なんで?
焦ったさとみは、他の部屋の窓も触ってみる。
何で、どうして。
意味もなく、うろうろするさとみ。
ほんとに閉まっている。
なんで
わからないけど、どうしよう。
今日って…社長帰ってくる?
…知らないし。
どうしよー
…
…
葛西がドアを開けた。
疲れた。
こめかみを押さえる。
リビングを素通りして、
自分の部屋に入る。
ルーチンで、バスルームのスイッチを押す。
ん?
なんか聞こえた気がした。
…
気のせいか。
ジャケットを脱いで、ネクタイを緩める。
シャツのボタンを外しかけたところで。
コン。
ん?
コンコン。
気のせいだ。
ここは最上階だぞ
誰もいるはずない。
コン
葛西がゆっくり、振り返る
窓に女がへばりついていた。
ギャー