嘘つきシンデレラ
社長がさとみの目をみつめる。
ドキ
何?
さとみは、社長に見つめられると、
わけのわからない、気持ちになる。
長いまつげにふちどられた
社長の瞳が、私を見ている。
社長がさとみの口をみつめる。
社長?
さとみは自分の神経が過敏になっている
気がする
顔が紅潮して
頬が熱い。
さとみの首 胸 腰
社長の視線が伝う。
ドキドキ
社長……?
どんどん視線が下がっていく。
何か 恥ずかしくて
身体も熱くなって…
ドキドキとまらない。
社長はただ見ているだけなのに
たまらなくて
見ないで!
そう言いたくて。
さとみの心臓が言っている。
何か、何か
今すぐ逃げ出したいよー。
って。
「いくら?」
唐突に
社長が言った
「え?」
「いくらいる?」
お金持ちは 喋るのも、もったいないのかな。
ほんとに必要最低限のことしか言わない。
そんな関係のないことを、
頭の片隅で考えながら、さとみは口にする。
私が得なければならないのは
「300万です」