嘘つきシンデレラ
2日後の朝。
差し込む朝日が柔らかい、リビングルーム
社長はコーヒーをつぎながら言った。
「もういいのか」
「はい。おかげさまで、すっかり」
さとみは冷蔵庫からサラダの材料を出す
今日の社長はブラックに近いダークグレーの
スーツ姿。
ジャケットは脱いでいて
ワイシャツの胸ポケットに、ネクタイの裾が
入ってる。
座る前に、ひとくち コーヒーを飲む社長。
いつもの社長。
いつものかっこいい社長。
もうー
社長ー。
かっこいいってわかってて、してるでしょー
顔をあげた社長と視線があう
慌てて
「サラダ食べます?」
「いや。…
少し、もらおうかな」
珍しく社長がそう答えた。