嘘つきシンデレラ
叶わない願い
リビングルームに朝日が差し込む。
ソファに座ったままのさとみは、
ぼんやりしたまま、窓の方を向いた。
今日もここから見える景色は綺麗で、
眩しすぎる光に、泣きすぎた目が痛くなる。
社長は帰ってこなかった。
もうこれで
ほんとに、終わりなのかな。
最初から何も無かったのに、
何かを失くしたようで
泣くのに疲れて、
からっぽな気持ちでしょうがない。
だけど、
思えば最初から、
ここでの生活は現実味がなくて、
いつも夢の中のようで…
ただ、現実に帰るときが、
来ただけなのかもしれない。