嘘つきシンデレラ
足が震える。
本当はすごくこわい。
もう振られた私が
社長に会いにくるのは、
すごく勇気がいるよ。
それもあんなにこっぴどく…
傷つけられて、
壊れそうなほど傷ついて
なのに、自分の嘘のせいかと思うと
誰のせいにもできなくて
自己嫌悪で
鼓動が激しくて、痛いくらい。
なのに思考を無視して、
ここへきてしまった。
こんなに、ズキズキ痛くて苦しいのに
もうこれ以上痛くなったら、
きっともう
耐えられない。
そうわかっているのに。
それでも、社長に会いたいと思うくらい
好きだなんて。
もしかしたら、ただ、聞きたいのかも
私は一緒に暮らして、社長を知って
社長はなんだかんだ、冷たいこと言うのに
いつも、いつも
わたしを救ってくれた。
私なんかって言うなって
どんな高価なものより、
わたしは価値があるみたいに
社長の手は、
本当の社長は、いつも私に優しかった。
まるで、わたしを守ってくれる人みたいで。
意外にかわいいところとか。
やっぱり、びしっとしていて、
かっこいいところとか。
たくさん、たくさん社長のことを知って、
こんなにも好きになってしまったの。
私が思うほんの少しでも
社長は私といて楽しいと思ってくれた?
私のこと少しでも大事だと思ってくれたの?