嘘つきシンデレラ




「おれはいつも…




お前が大事だと思うと





大事だと思えば、思うほど




いつも




それを、否定しないといけない気持ちになって




そんな自分の気持ちを




壊さないといけない気がして」





葛西が自分の気持ちを吐露するように





言葉にする。





「だけど、お前が




あんな言葉…




あんな言葉ひとつ残して消えるから」




       残された手紙には




       ひとことだけ




       『幸せになってください』





こんな風に むきだしの自分を




さらけだすのは




初めてで




ノーガードな心なんて、ありえない。




だけど、




もう覚悟はできている。



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