嘘つきシンデレラ
「これが、こんなことが無かったら、
私だって」
…しまった。
言い捨てられたことが、悔しくてって。
つい感情的になって、心で思っているよりも
言いすぎたかも。
さとみがうかがうように、社長をみると
「いい。はっきりしていた方が。」
冷たい目は容赦がない。
「好きだの、恋だの、ありえない妄想されると
迷惑だからな。」
「めんどうはごめんだ。」
社長はそう言うと、唇の端をあげて、
意地悪そうに微笑んだ。
社長のこわいくらい、明快な言葉。
そうだよね。
私なんかにどう思われていようと、
社長が気にするはずない。
私が何て、思っていようとも…。