嘘つきシンデレラ




社長に何も



言えなかった。




そりゃあ、記憶にないのに




自分のベッドに人がいたら




びっくりするし、怒るよね…








言えなかったのは、




恥ずかしかったから。




こわかったから。











それに、



うなされていたからなんて、




聞きたくないと思ったの。










苦しそうに





「ごめん」






「許して」







そう何度も言っていたなんて




言えないと思ったの。










昨日の私は社長が心配で、 



我慢できなかった。




でも、それを伝えたら、




きっとまた私を




ぺちゃんこにつぶしちゃうでしょ。




その切れる言葉で。
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