嘘つきシンデレラ
「いっ」
最後の言葉は、かみ殺したさとみ。
「どこが痛い。打ったのか」
背中?
後ろのテーブルにでも打ち付けたか。
ほんと、こいつは。
「見せてみろ」
葛西がさとみに、後ろを向くように、
手で指図する。
「大丈夫です。
ちょっとぶつけただけなんで」
さとみは、背中をかばうように
葛西から身体を遠ざける。
イラつくな。
遠慮している場合か。
「いいから、見せろ」
グイ。
半ば、無理やりに
葛西がさとみに背中を向かせる。
葛西の大きな手が
さとみの背中のTシャツをめくりあげた。